大判例

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東京地方裁判所 昭和46年(ワ)8763号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕<証拠>によれば、次の事実を認めることができる。

(1) 原告は会社に雇われ、昭和四三年以降営業部長の地位にあり、事故当時給料(賞与を含まない。以下同じ)月額諸手当とも九万五二〇〇円を受け、昭和四五年四月分(三月二一日以降の分をいう。)以降給料月額を一一万一二〇〇円と改められた。

(2) 原告は、事故による受傷及びその治療のため原告主張のとおり欠勤した(但し、一月というのは前月二一日から当月二〇日までをいう。他も同様)。

(3) 会社においては自己都合による欠勤の場合、給料金額あるいは欠勤一日当り給料月額の二六分の一を減ずる定めとなつており、この例に従い、原告主張のとおり(七月については、減額が原告主張の額を超えている疑いもあるが)、給料が減額支給された。

(4) 賞与については、その支給額について具体的な定めはないが、三月支給の期末手当は業績に応じて、六月支給の夏季手当、一二月支給の年末手当は概ね給料に比例して支給額が定められている。原告が通常の勤務を続けた場合には、昭和四五年の期末手当として三〇万円、同年の夏季手当として九万三六〇〇円が支給されるべきところ、原告の右欠勤及びこれによる業績の程度により期末分一〇万円、夏季分三万一二〇〇円が支給されるに止まつた。

以上の欠勤は、二に述べた原告の受傷程度や治療経過からみて無理からぬものであり、これに基く賃金減額は、事故と相当因果関係のある損害というべきである。

もつとも、本件事故について原告にはなんら落度がないうえ、本件受傷は原告が会社の業務遂行中、しかもこれに基因したものである(このことは弁論の全趣旨により明らかである。)。してみると、会社と原告の関係では、労働基準法七五条以下の適用をみるべき場合であつて、会社が原告に対し自己都合の欠勤同様に扱い、なんら補償措置をとらなかつた点は、違法のそしりを免れない。賞与、ことに期末分については会社が恣意的に大幅な減額をした疑いが十分に考えられる。それにしても、原告にとつては、右給料及び賞与の減額は、自己の意思になんらかかわりのない会社の措置であつて(証人小島隆夫の証言)、法的手段のほか動かし得ない客観的事実というべきである。その意味において、原被告の関係では、事故と相当因果関係のある損害として損害賠償の対象に属するものである。

(高山晨)

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